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481(98/10/02 11:51)RE:スラッグ弾の飛行について from HIRO
 これには、いろいろなケースが有ります。先ず、大まかに分けて、スラッグの弾頭は、弾頭自身の重心と、風圧中心(前方からの空気抵抗の作用する中心)の位置のずれを利用して、進行方向に弾頭先端を常に向けるもの(風見鳥の原理)と、与えられた回転によって、コマの原理で同一方向を保ち続けるものの2つのタイプが有ります。前者は、フォスタータイプやブリネッキタイプ、後者はサボータイプが、その代表です。
 そして、前者のタイプの場合は、弾頭が変形すると、重心や風圧の中心がバラバラに偏心してしまい、弾道が反れてしまうために、これを防ぐ目的で、極力弾頭が変形し難い様に設計されたタイプと、変形はし易いが、風圧の中心と重心の距離を出来る限り大きく取ると同時に、弾頭外胴に有効な高さの羽を設けて、それにより、飛行中に弾頭を僅かに回転させる事で、弓矢の原理を使って真っ直ぐ飛ばすタイプに分けられます。前者は、フォスタータイプ・後者はブリネッキタイプが、その代表になります。

 こうした原理の違いから、各タイプの弾頭では、その飛行は全く異なり、その結果、それらの精度を向上する方法も異なって来ます。以下、それぞれを分けて書きますと、

1、サボータイプの場合
 このタイプは、発射の時点で回転している事を前提にしていますから、当然にして、ライフリング付きの銃身によって、発射時に強制的に回転させなければ、全くお話になりません。このタイプを無回転で発射すれば、必ずブーメラン状の横回転をしながら飛行する事になるので、精度など全く期待しようも有りません。
 しかし、日本では散弾銃の銃身には、全長の1/2までのライフリングしか認められていない為に、現在3タイプの銃身が発売されています。このうち、ライフルドチョーク付きの銃身は、チョークに付いているライフリングが、銃腔内で既に音速を大きく越えているプラスチック外皮の弾頭と接触する事になるので、ライフリングは単にプラスチックを削る役目しかせず、とても所期の回転は得られません。銃口側に1/2のライフリングを残したタイプも、ライフルドチョークよりはましでしょうが、所期の回転を得るまでには至らないでしょう。唯一、薬室側にライフリングの有るタイプでは、初速0の状態から徐々に回転を加速すると共に、散弾銃の場合には、銃身の1/2地点では既に加速を終えているので、回転数も充分に与えられており、これに続く滑腔部分では、プラスチック外套と銃腔の摩擦が少ない為に、既に与えられた回転は止まること無く、弾頭は充分に回転したまま、銃口を離れられます。つまり、サボー装弾には、薬室側に1/2ライフリングを切った銃身が、日本では唯一精度を出せる銃身と言えます。しかし、この弾頭の本来の性能を100%発揮することは、日本では不可能でしょう。

2、フォスタータイプの場合
 このタイプは、銃腔内での弾頭の変形を押さえる事が、精度を上げる最良の方法です。具体的には、薬室から銃腔に入る部分のテーパーになっている部分の角度を、標準よりも長く加工し直して、ロングフォーシングコーンにすると、精度はかなり改善し、更に、使用する弾頭の外径にピッタリ合せた内径を持つ銃身を特注するか、逆に鋳型を特注して、手持ちの銃身の内径にピッタリ有った外径の弾頭を自作して、ハンドロードする事によって、その精度は劇的に向上します。特注鋳型の場合は、更に有効な高さの風切り羽を施す事で、ワンホールショットも可能になります。しかしながら、既製の銃身や既製の弾頭では、コーンはギタギタだったり、弾頭はユルユルガタガタだったりして、このタイプは通常は余り当りません。唯一ミロクのMSSー20にアポロの既製装弾を使用した場合だけは、上記の条件にかなり近くなるので、納得の出来る精度を出しやすいです。

3、ブリネッキタイプの場合
 このタイプはネジ止めされたフェルトの送りを凧のしっぽの原理で積極的に使用して、風圧の中心を弾頭の重心の極めて後方に送る事で、高い姿勢制御能力を得ています。しかし、フェルトは偏った変形をし易い為に、そのままだと弾頭は大きくカーブしながら飛んで行く事になります。この悪影響を防ぐ為に、ブリネッキタイプでは、弾頭表面の乱流境界層よりも背の高い(高さ1mm以上)羽を設けて、前方からの風圧で弾頭をゆっくり回転さて、その軌道を緩やかな螺旋状にすることで、高い直進性を維持しています。この為、このタイプの弾頭の命中精度を上げる為には、その命で有る羽を極力潰さない様にする事が、銃身に求められます。従って、このタイプをチョーク(平筒タイプの交換チョークも含む)の付いた銃身で撃つことは、ご法度です。また、2と同様ロングフォーシングコーン加工は、かなり有効に働きます。また、銃腔内径と弾頭外径もピッタリ有っていなければならず、大き過ぎても小さ過ぎても当りません。既製では、12番の通常の平筒銃身とゲベロット弾頭を使った装弾(ロットウェルやブローニング)の組み合わせが、最高で、20番では、弾頭外径に対して銃腔が小さくなりがちな上、弾頭外径の縮小に比例して市販の弾頭は羽の高さも低くなるので、MSSー20も含めて、市販の20番猟銃はブリネッキタイプを撃つには向きません。
 弾頭を自作出来るならば、20番でも、羽を充分高くしたり、手持ちの銃身の内径に弾頭径を合せたり、フェルトを圧縮グラスファイバー等の、より均一に変形する素材に換えたりすることで、恐らく世界一の命中精度を目指す事が可能でしょう。

 と言う訳で、ゲバラさんへのお答えにもなりますが、既製銃に既製弾頭で撃つならば、現状では、
 1・MSSー20のチョーク無し完全平筒銃とアポロ装弾の組み合わせ
 2・薬室側1/2ライフリングの銃にサボー装弾の組み合わせ
 3・12番チョーク無し完全平筒銃と、ロットウェルやブローニング装弾の組み合わせ
の3通りが、唯一良く当る組み合わせで有り、その他の組み合わせを検討する事は、全くの無意味と言うことになります。また、上の3つの組み合わせの優劣は、市販品では付けられません。弾頭を自作出来れば、平筒のMSSー20に改良型ブリネッキ弾頭をハンドロードしてやるのが、一番でしょう。1/2ライフリングタイプはフルライフリングを持てない以上、日本では、これ以上改良の余地は少ないかも知れません、12番はボルトアクションでも、MSSー20程初速を上げられないので、改良の余地は少ないです。

 結論としては、装弾のコスト面から言っても、射撃に使うならば、MSSー20の完全平筒銃にアポロ装弾の組み合わせが一番です。また、猟に使うならば、現状では完全平筒の12番銃にロットウェルorブローニング装弾が、威力面では最高ですが、将来的には、鉛弾頭は猟に使えない事になりそうなので、薬室側1/2ライフリングの12番銃に、サボータイプの銅無垢弾頭に移行していくのが良いでしょう。

480(98/10/01 22:20)スラグ銃の弾の飛行について教えてください。 from 潮田公成
ミロクのボルトの20番(平筒)を使用しております。ライフルドスラグの弾頭の飛び方(どの程度の回転するか、しないか)がわかりません。
また、銃身内で回転するのか?銃口を出てから空気抵抗を受け回転するのか?どちらのほうがただしいのでしょうか?

自分で撃ったあとの銃口内をのぞいて見たら弾頭のライフルの擦れた跡が銃口付近についていました。


479(98/10/01 17:36)ボルトアクションのスラッグガン from ゲバラ
ボルトアクションのスラッグガンを購入しようと思ってますが、ブローニング(ミロク)A-BOLTの、ライフルドチョーク付きと、ハーフライフル(ライフリング半分削ったやつ)ではどちらが命中精度がよいんでしょうか?やはり、ミロクMSS-20にはかなわんのでしょうか?はたまたやはりターハントが最高なのでしょうか?わっかりませ〜ん!

478(98/10/01 17:24)Re^2:アンシュッツ1407と1907のベディング from 榊原嘉仁
アンシュッツ1407と1907のベディングサイズは、同じであることが判明しました。

477(98/09/30 10:43)in case of next step from HIRO
>4000〜6000撃つと急に悪くなりますが、それでも2インチ程度にはまとまりす。

そして、それを更に過ぎると、スロートから先のライフリングが擦り減ってつるつるになり、横転弾続出&黒点にも入らなくなります。308では、そこまで使った鉄砲は見たこと有りませんが、243winで5000発撃ったと言う銃身は、正にその状態で、二つに割って見たら、スロートから4センチ位、ライフリングが全く消えて無くなってました。。。


476(98/09/29 20:31)プロフェッサー,ありがとうございました。 from 村上
凄く勉強に成りました。

475(98/09/29 12:48)Re^2:アルミ製の薬莢 from 榊原嘉仁
築地さん、ご回答ありがとうございます。

そうですか、廃盤ですか。そしたら、お宝物ですね。錆びているけど。


474(98/09/29 12:45)Re:アンシュッツ1407と1907のベディング from 榊原嘉仁
HIROさん、ありがとうございます。

でも、銀銃さんには聞けない案件です。


473(98/09/29 12:29)in case of 308 rifle from 築地恵

また私のライフルはライフリングがポリゴナルの為,内部(薬室)を小型CCDカメラで見ましたがエロージョンの発生も皆無です。(リローディング装弾+ファクトリー装弾=約2200発消費)

冷間鍛造の銃身は表面が加工硬化しているので3000発くらいまでは変化がありません。
4000〜6000撃つと急に悪くなりますが、それでも2インチ程度にはまとまります。


472(98/09/29 12:26)in case of 22 raifle from 築地恵
友人の射撃銃はLR22を使用しているため50000発,消費していますがグルーピングには支障が出てないそうです。(LR22だから当然でしょうが)

銃身を二つ割りにして観察すると、薬室の前には少し梨地になっているはずです、しかし命中精度はあまり変化しません。


471(98/09/29 12:24)調子良いですよ from 築地恵

築地さん,ロシア製軍用ライフル薬莢は鉄製に錆止め塗装(メッキかも?オリーブドラブ色)をしています,これって銃は傷まないのでしょうか?特にエジェクターやエキストラクターは。(村上)

鉄の地肌で使うより薬室は痛みません、塗装薬莢は以外と排莢は具合が良いです、滑り効果があるのかもしれませんね、それに軍用銃の場合、思いの外実際には弾は使わないのです。


470(98/09/29 11:43)HIROさん,質問。 from 村上
確かに,マグナム系の装弾(ライフル)を使用すると銃身寿命が極めて短く成ると聞きましたが,ここで言う銃身寿命は100mでmm単位の(ワンホール)精度を出すためのことでしょうか?

友人の射撃銃はLR22を使用しているため50000発,消費していますがグルーピングには支障が出てないそうです。(LR22だから当然でしょうが)

また私のライフルはライフリングがポリゴナルの為,内部(薬室)を小型CCDカメラで見ましたがエロージョンの発生も皆無です。(リローディング装弾+ファクトリー装弾=約2200発消費)
また,グルーピングもベンチでは1インチ以内に収まっています,一時期3インチに2度ほど乱れた事も有りましたが1度目はスコープの破損,2度目はたったビス1本緩んでいたためでした。(ベンディングビス)

築地さん,ロシア製軍用ライフル薬莢は鉄製に錆止め塗装(メッキかも?オリーブドラブ色)をしています,これって銃は傷まないのでしょうか?特にエジェクターやエキストラクターは。


469(98/09/29 10:31)射撃が主なら... from HIRO
お使いの銃の銃身寿命(120gr弾頭なら2000発位)が来たら、銃身交換する時には、6BRに変更されると良いと思います。

> アンシュッツ1407と1907のベディングネジ
これは、両方の実物を並べて見ないと解らないことですが、個人で両方持っていて、即見比べられる方は少ないと思いますので、銀銃さんあたりに直接問い合わせた方が答えが早く得られると思います。


468(98/09/29 07:41)アルミ製の薬莢 from 築地恵

アルミニウム製の308Winが有りました。(榊原)

これはNATO軍の練習弾でフランス製です、ご存じのようにNATOは軍用実包を小口径に変更していますので作られなくなったのです。


467(98/09/28 21:47)7mmで頑張ります from 増田
HIROさんありがとうございました。7mmは射撃が主です。このままもう少しあきるまで使います(7mm08)。築地さん追伸ありがとうございました。ご忠告は参考にしもう少しがんばります。
ところで日本装弾??(DC300と同じような缶)から4350にちかい(コピー?)火薬が500g缶で発売されているみたいですが何だか誰かご存知ですか?同一品の詰め換えではと言う話もありますが?


466(98/09/28 18:23)アンシュッツ1407と1907のベディング from 榊原嘉仁
最近、少し困ったことが有るのですが、
アンシュッツ1407とアンシュッツ1907の機関部寸法
(径、長さ、ベディングネジ径と配置)は同じでしょうか?

ご存知の方はいらっしゃいませんか?


465(98/09/28 18:18)アルミ製の薬莢 from 榊原嘉仁
昔、軽井沢で集めた薬莢が出てきたので、眺めていたら、
アルミニウム製の308Winが有りました。
そういえば、最近見ませんけど、なぜでしょう?
製造コストが高いからでしょうか?


464(98/09/28 14:05)7ミリ? from 築地恵
追伸:7ミリ系統は命中精度を出すのが難しいですよ。

463(98/09/28 11:02)7mm系は... from HIRO
ネックとボディー径の差が大きいので、薬量の増加に比して、初速の増加はそれ程有りません。7mmー08と7mmRemMagを比べても、スピードで1割・エネルギーでも2割程度しか変わりません(308と30-06程度の差しか無い)ので、284WINと7mm−08のIMPでは、薬量は284の方が沢山入りますが、性能は殆ど変わらないと思います。何れも、7mmー08と比べても、せいぜい5%止まりの性能UPでしょう。

7mm口径にハイパワーを求めるなら、7mmSTWと言うカートリッジが、アメリカでは人気です。この弾は、7mmー08よりも40%もエネルギーが高いです。薬莢も、最近レミントンから既製品が発売され始めたので、それを使えば、ファイヤーフォームも何も無しで、リローディングも簡単です。ただし、全長が375H&Hと同じなので、レミントンやサコーやウエザビーのロングアクションはベースライフルに使えますが、ウインチェスターやルガーのロングアクションは使えません。また、小口径高速弾の宿命で、銃身の寿命が1000発程度なので、狩猟専用なら良いですが、射撃練習に使うと、毎年銃身交換する様です。


462(98/09/27 15:31)HIROさん教えて from 増田
284WINと7o−08のIMPとではどちらがパワーが期待できますか?
又、どの程度のスピードが可能でしょうか?120グレインで。


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